私の一冊

2040年「仕事とキャリア」年表

植田 統 著

三笠書房 2022年2月刊

 「2025年 『大リストラ時代』の幕開け」「43年 日本から『サラリーマン消滅』!?」、との本の帯が衝撃的であった。経団連がまとめる「2022年版経営労働政策特別委員会報告」には、ジョブ型雇用の「導入・活用の検討が必要」と明記。最近は「リスキリング」や「リカレント教育」という言葉も多く見られるようになっている。

 本書は新卒一括採用、年功序列、終身雇用、定年退職制度は、諸外国から見ると特殊であること、しかしなぜ、日本はメンバーシップ型雇用を採用し導入しているのか、と問題を提起する。そして、日本の雇用形態の限界を経済史から振り返り、「女性活躍や生涯現役を推進し、ジョブ型雇用に備えよ!」という著者のエールに納得しながら、あっという間に読み進められた。