私の一冊

「パーパス経営」

名和高司 著 東洋経済新報社 2021年5月刊

 毎年1月にスイスで開催される世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。近年の中心テーマは、資本主義の終焉である。しかし、その先が見えない。資本主義の終焉を危惧するのであれば、新たなる主軸を見つける必要がある。「21世紀の価値創造の基軸は『ヒト』、すなわち人的資産である。しかも、その源泉は自分のための欲望ではなく、他者にとっても価値のあることをしたいという信念、すなわち志こころざし(パーパス)だ」と著者は言う。

 日本を代表する企業アドバイザーの名和氏も提唱する「パーパス経営」は今、世界中で注目されている。物理的拡大から精神的な充足へとヒトの価値観そのものの大転換が求められている。