私の一冊

職場の「感情」論

相原孝夫 著

日経BP・日本経済新聞出版本部 2021年3月刊

 出社して同じ職場というハコの中で一緒に働くことを前提とし、柔軟に役割を調整するメンバーシップ型の働き方が、このコロナ禍で難しくなる。

 リモートで情報を共有しようとウェブ会議を増やすのみでは、非言語情報は限られ、共有できる情報の総量は少ない。一方、メンバーにとっては監視されている意識が強くなり「やらされ感」を招く。そこで、個々に仕事を切り分けるジョブ型への移行が急務となる。

 単にリモートワークを進めると、ネガティブな感情が蔓延し、互いに疑心暗鬼になって、職場に悪循環が生じ、ジョブ型への移行も遠のく。結局、「感情」の問題に真っ向から向き合わなければならない状況となる。そんなときのヒントを、本書は紹介している。