私の一冊

思考の整理学

外山滋比古 著

筑摩書房(ちくま文庫)1986年4月刊

 今までの教育は、いわばグライダー人間を作ってきた。指導者がいて目標が明確な時代では高く評価されたが、今後は自分で自由に飛び回る飛行機を作らなければならない。グライダーにどうエンジンを搭載するか。グライダー人間では、コンピューターという飛び抜けたグライダーに仕事を奪われる。

 思考は多くのチャンネルをくぐらせると良く、書いたものを声に出すとなお良い。『平家物語』が“頭がいい”のは偶然ではないという。

 最近、生成AIであいさつ文を作ってみた。瞬時に作成してくれるが、そのまま使おうとしてもすらすらと読めず、結局、自分で原稿を推敲する羽目になる。文章を自分の中で“発酵”させた言葉にしないとダメだと実感する。著者はこれを、情報の“メタ化”と表現している。